2023年9月20日、米国国土案保障省は、ベネズエラのTemporary Protected Status(TPS)の18ヶ月の延長と再指定を公表しました。これは、ベネズエラへの安全な帰国を妨げる同国の並外れた一時的な状況に基づくものです。
TPSとはなんですか?
TPSは指定国の所定の要件を満たす国籍保有者に付与される一時的な移民法上の立場を指します。USCISは、国籍を保有しない者で最後にその指定国に居住していた者に対しても、TPSを付与しています。
TPSの指定期間中、TPSの受益者は、TPSの要件を継続して満たす場合、米国に滞在することが認められ、国外追放の対象とならず、また就労許可証(EAD)を取得することができます。TPSの受益者はまた米国国土安全保障省の裁量により、渡航許可証を申請し取得することができます。
ベネズエラのTPS指定(ベネズエラ2021)の延長
米国国土安全保障省が2021年3月9日に公表した当初のベネズエラのTPS(ベネズエラ2021)の延長は、2024年3月11日に始まり2025年9月10日に終了します。この延長により、既存のTPS受益者は、TPSの立場を2025年9月10日まで保持することができます。TPSを保持するためには、当該受益者はTPSの要件を継続して満たす必要があります。
TPSの立場を2025年9月10日まで延長することを希望する既存の受益者は、所定の再登録期間中に再登録を行う必要があります。ベネズエラ2021に基づく既存の受益者についてのこの60日間の再登録期間は、2024年1月10日に始まり2024年3月10日に終了します。既存の受益者がこの再登録期間中に適切に再登録をしない場合、USCISは所定の手続きを経て当該受益者のTPSを撤回することができます。
再登録を行う既存の受益者はまた、EADの更新申請を行うことができます。USCISは、適時に再登録を行いEADを申請した所定の要件を満たすTPSの受益者に対し、2025年9月10日を有効期限とするEADを発行します。新規のEADを現在のEADの失効前に取得しなかった受益者に関し、米国国土安全保障省は、そのベネズエラ2021に基づき当初発行された所定のEADの有効期限を2025年3月10日まで自動的に延長します。
ベネズエラのTPSの再指定(ベネズエラ2023)
既存のTPS指定(ベネズエラ2021)の延長に加え、米国国土安全保障省はまたベネズエラをTPSに18ヶ月間再指定しました(ベネズエラ2023)。この18ヶ月のTPSの再指定は、2023年10月3日に始まり2025年4月2日に終了します。その要件を満たす個人で現在TPSを保有していない者は、ベネズエラ2023に基づく当初の登録期間中、 Form I-821, Application for Temporary Protected Status を提出するとができます。
この再指定により、ベネズエラ国籍保有者(及び国籍の無い者で最後にベネズエラに居住していた者)は、以下の条件を満たす場合にTPSの初回申請を行うことができます。
- 2023年7月31日から継続してアメリカに居住していること
- 2023年10月3日から継続してアメリカに物理的に所在していること、及び
- 他の指定される条件を満たすこと
この当初の登録期間は2023年10月3日に始まり2025年4月2日に終了します。当該個人はまた右記のフォームを提出することにより、EADを申請することができます。 Form I-765, Application for Employment Authorization.
前回のTPS指定(ベネズエラ2021)に基づきTPS /就労許可証の申請を提出した場合、改めてこれらの申請を提出する必要がありますか?
米国国土安全保障省は、USCISが過去のベネズエラのTPS指定に基づき提出された審査中の申請の処理を継続する旨を述べています。このため、ベネズエラ2021に基づき審査中の Form I-821, Application for Temporary Protected Status または関連する Form I-765, Application for Employment Authorizationを2023年10月3日時点で有する個人は、これらの申請を再提出する必要はありません。申請が承認された場合、USCISは、当該個人に対し、2025年9月10日まで有効なTPSを付与し、また同期間まで有効な就労許可証を発行します。
米国国土案保障省は、既存のベネズエラのTPSのもと現在およそ24万2700人のTPS受益者が存在しており、この新規のベネズエラの再指定によりさらにTPSの対象者となるベネズエラ国籍保有者がおよそ47万2000人存在していると述べています。