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現行の帰化テストへの変更案の試行

現行の帰化テストへの変更案の試行

2022年12月14日、米国国土安全保障省は、USCISが現行の帰化テストへの変更案の試行を全国的に行う予定であることを公表しました。 この試行は、帰化テストのうち英語のスピーキングテストと公民テストへの変更を含んでいます。すなわち、帰化テストの他の部分(英語のリーディングとライティングテスト)はこの試行に含まれておらず、変更はありません。

USCISは、ESLクラスに参加している英語の学習者及び市民権取得のための教育クラスに参加しているアメリカの永住権者である成人ボランティアの協力を得て、この変更案を試行します。USCISによると、この変更案の試行と開発は、テスト開発分野におけるベストプラクティスに沿うこと及び帰化テストをさらに標準化することを目的としています。

現行の帰化テストはどのようなものですか?

アメリカの移民国籍法のもと、ほとんどの市民権の申請者は、試験(帰化テスト)に合格することにより以下の要件を満たす必要があります。[1]

  • 一般的な英語を使用して話し、読み、書く能力を含む英語の理解(英語の要件)
  • アメリカの歴史及び政府の原則と形態の基本的内容についての知識と理解(公民の要件)

このため、以下に記載される通り、現行の帰化テストは英語のテストと公民テストにより構成されています。

1. 英語のテスト

(1) スピーキングテスト

英語を話す能力は、面接官が市民権のインタビュー中に典型的に質問する事項への申請者の回答により判断されます。この質問事項は、Form N-400(市民権申請)に基づいています。これに加え、申請者の英語の理解能力を判定する包括的なテストも存在します。

申請者は、市民権申請のインタビュー中に提供される質問、指示、または誘導を理解しこれに回答する場合に、英語を理解する能力を証明したことになります。

(2) リーディング及びライティングテスト

USCISはまた、市民権申請者の一般的な英語使用による英語の読み書きの能力も判定します。USCISはこの能力を標準テストにより判定します。このテストにおいて、当該能力を示すために、申請者は3つの事項のうち1つについてそれぞれ正確に読み、書く必要があります。

特に、3つの文章のうち1つを長時間の途切れなく音読した場合、申請者はリーディングテストに合格することになります。この音読は、申請者がその文章の意味を伝えることができ、かつ面接官がその文章を理解できる形でなされる必要があります。同様に、3つの文章のうち1つについてその意味を面接官に伝えることができた場合に、申請者はライティングテストに合格します。

2. 公民テスト

さらに、公民テストを受ける必要のある市民権の申請者は、このテストに合格するために、10個の質問中6個について正確に回答する必要があります。USCISのシステムはこれらのテストの質問をランダムに選択し、面接官はこのテストを口頭で行います。申請者は、100個の質問事項から選ばれる10個の質問中6個について正確に回答するかまたは代替となる回答をすることにより、公民テストに合格します。

現行の帰化テストへの変更案はどのようなものですか?

前述の通り、USCISは、帰化テストのうち英語のスピーキング部分と公民テストの内容及び形式について、変更案を提示しています。

1. 英語のスピーキングテストへの変更案

USCISは、以下の変更案を提示しています。

  • スピーキングテストを標準化しまたForm N-400から分けて行うこと
  • National Reporting System(NRS)に基づくESLのレベル3(高度な初心者)*に沿うこと
  • 簡単な言葉とフレーズによりその写真について叙述することを申請者に求める写真の誘導を使用すること[2]

*NRS ESLのレベル3(高度な初心者)は、「ゆっくり繰り返し話される一般的な言葉、簡単なフレーズ及びよく知られた語彙を含む文章を理解できる。簡単な学習されたフレーズや短い文章を用いて、個人的な日常生活についての簡単な質問に回答することができ、また当面のニーズについて表現することができる。文法の適切な使用について制限がある。」とのレベルとして分類されています。[3]

スピーキングテストに使用される写真は、日課、天気、食事、買い物、学校等の日常的なトピックから選択されます。

試行テストのスコア及び判定

英語のスピーキングテストの変更案において、USCISはその試行テストを関連する内容の語彙と簡単な言葉やフレーズを含む回答に基づき点数を付けます。

提案された合格点は、現行の英語のリーディング及びライティングテストと同様とされています。すなわち、市民権の申請者は、3つの質問のうち1つについて正確に回答する必要があります。

この試行において、USCISはForm N-400を英語のスピーキング能力および理解度を判定するために使用しません。USCISは、英語の理解能力を、スピーキングテストにおいて与えられる質問または誘導を通じて判定します。

2. 公民テストへの変更案

USCISは、公民テストの形式と内容を以下の通り変更することを提案しています。

  • 多肢選択式
  • 内容の更新

この多肢選択式の質問は、正確な解答1個と不正確な解答3個を含んでいます。以下はこの多肢選択式の公民テストの例です。

誰が独立宣言を起草しましたか?

  1. George Washington
  2. Thomas Jefferson
  3. Abraham Lincoln
  4. Martin Luther King, Jr

試行テストのスコア及び判定

USCISは、以下のテストの採点方法を維持することを提案しています。

  • テストの学習対象となる項目は全部で100項目であること
  • 合格スコアは10項目のうち6項目であること
  • いわゆる65/20の英語テストの免除対象となる申請者について学習対象項目を20項目に削減すること

今後のタイムラインはどのようなものですか?

2023年5月31日、USCISは、2023年の6月初旬から9月にかけてこの試行テストを行うことを公表しました。この試行テストの期間後、Technical Advisory Group(TAG)が当該データをレビューし、提案事項の適切性についての推薦事項と新しいテストに関する教材のレビューを提供します。USCISはこの推薦と試行テストのデータを最終的なテスト項目の開発のために使用し、この内容については官報への通知により公表されます。

USCISはこの帰化テストの再デザインのプロジェクトについて、およそ2年かかり、2024年後半までに施行されることを想定しています。

この市民権申請者の帰化テストの再デザインの試行テストについての米国国土安全保障省の官報に掲載された通知は、こちらから確認可能です (関連リンク)。2021年2月2日付で発行された関連する大統領令はこちらから確認可能です (関連リンク)。.

免責事項


[1] 移民国籍法のもと、一定の申請者は、特定の年齢及びアメリカの永住権者としての期間要件を満たすか、身体的障害、発達障害または精神的障害により英語テスト、公民テストまたは双方のテストの要件を満たすことができない場合、英語のテスト要件及び公民テストの要件を免除されることができます。

[2] ESLの判定は一般に以下の写真を使用しています。BEST Plus 2.0(https://www.cal.org/aea/bp/)及びTOEIC Bridge(https://www.ets.org/toeic/organizations/about/bridge.html).

[3] https://www.cal.org/caela/scb/III_B_AssessmentintheClassroom.pdf.

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